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経鼻内視鏡の観察法について解説します

 近年の光学技術の進歩により経鼻スコープの画質は飛躍的に向上しました。最新のスコープを使用すれば、拡大観察を除いて経鼻内視鏡は通常の経口内視鏡と同等の精度を持っています。経鼻スコープの細さや柔軟性は死角を減らし経口内視鏡よりも優れています。本コーナーでは経鼻内視鏡における観察法について解説します。

経鼻内視鏡の観察法

近接観察依存は過去の話

 最新のの経鼻スコープの画質は非常に良好であり、以前のように近接観察を多用する必要はなくなりました。とくに富士フイルム社製のEG-L580NW7は明るさ、画質、吸引機能ともに高いレベルにあります。細くて柔らかい経鼻スコープの特性を生かせば、経口内視鏡を凌ぐ観察が可能です。

経鼻スコープの利点

①スコープによる死角が少ない
 スコープが細径のため、反転時のスコープ自体による死角が太径スコープよりも少なくなります。
②曲率半径が小さい
 スコープ先端と胃角の距離が取りやすいため胃角部の観察が容易です。また、十二指腸 ・ 食道の反転観察が可能です。

診断精度を向上させる手技

 経鼻内視鏡だけでなく、経口内視鏡においても同様ですが、色素観察(インジゴカルミン)、画像強調観察(LCIなど)を駆使して診断精度を向上させることが重要です。
  安全で苦痛の少ない検査のため、鼻腔通過時には以下の原則を守ることが重要です。
1)鼻腔挿入時に出血した場合は経鼻内視鏡は断念します。
2)被検者が少しでも鼻痛を訴えたときは、挿入を中止して鼻腔麻酔を追加します。


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送水装置の使用法

送水装置で散布するとキレイです!

 通常、色素散布は色素を充填したシリンジを散布チューブに接続して用手的に散布します。介助者がシリンジを押して散布しますが、散布チューブと接続するとシリンジは意外に固く一定の強さで押すにはある程度の経験を要します。経験の浅い介助者では、シリンジを押す力が不安定になり、的確に散布できないことあります。
 精度の高い経鼻内視鏡のためには、胃内全域に均一にインジゴを散布することが重要です。当研究所では、介助者の技量によらず安定して散布できる方法が必要と考え、送水装置を用いた方法を開発しました。この方法によって、インジゴを均一にキレイに散布することができるようになりました。

送水装置のセッティング

 送水装置で色素散布するためには、送水チューブの回路内に三方活栓付の延長チューブを介在させます。左の写真のように、装置側送水チューブ(ウォーターチューブAF-WPUポンプ・フォルテグロウメディカル社 、以下チューブA)とスコープ側送水チューブ(ウォーターチューブAF-WT逆止弁一体型・フォルテグロウメディカル社 、以下チューブB)との間に三活付延長チューブ(延長チューブ付三方活栓TS-WR3825・テルモ社 、以下三活C)を連結します。

インジゴカルミンのセッティング

 20mlシリンジでインジゴカルミン1A(5ml)を吸い、水で薄めて全体量を17mlとします。さらに、シリンジに空気2mlを吸って、トータル19mlの約2倍希釈インジゴ+空気の入りシリンジを準備します。ここで注意することは、インジゴカルミンの希釈量は三活Cの容量によって変わることです。当研究所でさまざまな延長チューブで試しましたが、上記テルモ社製延長チューブ延長チューブがベストでした。別な延長チューブを使用する場合は、その容量に合わせてインジゴカルミンの希釈量を変える必要が生じます。

散布法の手順

①チューブ内の水抜き
 散布を行うタイミングになりましたら、まず初めにチューブBと三活Cの水抜きをします。三方活栓をチューブA側をロックして空気がBC内に入る位置とします。次に、スコープの吸引ボタンを押すと、BC内の水は内視鏡に接続した吸引器に流れていきます。約10秒でBC内の水抜きが完了します。
②インジゴカルミンの充填
 インジゴ希釈液と空気を入れたシリンジを左写真のように三方活栓に接続します。このとき、シリンジを垂直に保持するすることがとても重要です。次に、スコープの吸引ボタンを押すとインジゴがBC内に充填されます。最後に空気2mlがチューブ内に吸引され、チューブA内の水との隔壁となります。
③散布チューブの連結
 インジゴカルミンの充填が完了しましたら、チューブBを鉗子孔から外し散布チューブに接続します。このとき、チューブBのストッパーをできるだけスコープ側に移動しておきます。通常通り散布チューブを鉗子孔からスコープ先端部まで挿入します。これで散布の準備は完了です。
④散布開始
 送水装置のフットスイッチを踏むとインジゴカルミンが散布チューブ(トップ社製ファインジェット)から噴霧されます。散布の動力はチューブ内圧の上昇ですのでフットスイッチを踏み続けるのではなく、3秒程度の踏込を繰り返すようにします。散布を止めたいときは、チューブBのストッパーを介助者に押してもらいます。
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